アレルギー性鼻炎・花粉症
主にダニ、ハウスダスト、動物の毛などが原因の通年性アレルギー性鼻炎と花粉が原因の季節性アレルギー性鼻炎の二つに分類されます。特に、日本では春先のスギやヒノキの花粉による季節性アレルギー性鼻炎の患者が急増し、鼻汁や鼻づまり以外にくしゃみや目の痒みなども伴い、多くの方が悩まされています。
対策
アレルギーの原因(アレルゲン)を避ける
- アレルギーの症状を抑えるために規則正しい生活(適度な食事と運動)をしましょう。
- 特に花粉症の場合、外出時にマスクやめがねを利用して花粉に触れないこと、帰宅時にうがいや洗顔で花粉を洗い流すこと、窓を閉めて花粉の侵入を防ぐことを心がけましょう。
- ホコリやダニアレルギーの方はこまめに寝具の交換や部屋の掃除をしましょう。
薬による対処療法
- 抗ヒスタミン薬を代表とするアレルギーの薬を飲みます。現在さまざまな薬がありますが、効果や眠気の副作用に差がありますので、当院では患者様と相談しながら決めていきます。
- 鼻汁・鼻づまりやくしゃみには点鼻薬を併用することでさらに楽になります。
- 目のかゆみには点眼薬を併用することが有効です。コンタクトレンズの有無で薬が異なりますので注意が必要です。
舌下免疫療法
アレルギーの原因(アレルゲン)を少しずつ体内に取り入れることにより、体が慣れていき、アレルギー反応を抑える方法を減感作療法といいます。この一種である舌下免疫療法とはアレルゲンを含む錠剤を1日1回舌下することによりアレルギー反応を抑える治療法で、2014年に健康保険の適用となりました。現在、スギ花粉とダニに対する舌下免疫療法を当院で受けることができます。注射による治療と異なり、全く痛みがなく、副作用も少ないため安全です。スギ花粉に関しては治療開始後、翌シーズンに花粉症の症状が改善した人が約8割で、治療を続ける期間が長いほど効果が高まることが分かっています。体質を改善することによりアレルギー性鼻炎を根本から治したい方には強くお勧めします。
舌下免疫療法について
対象
5歳以上のスギ花粉症またはダニアレルギーの方が対象です。妊娠中の方、重症の喘息の方、抗がん剤または免疫抑制剤を服用されている方は治療できません。
アレルギーにより仕事や家事、勉強に支障を来している方、花粉症の時期に過ごすのがつらい方、将来の受験や妊娠のために体質を改善しておきたい方、花粉症とともに食物アレルギーも発症している方にはお薦めします。
治療開始時期と治療期間
スギ花粉症については花粉が飛散していない6~12月の間に開始しますが、少なくともスギ花粉が飛散する4ヶ月前までに開始することが望まれます。ダニアレルギーはどの時期でも開始可能です。最低3年程度の長期間の治療が必要です。最近の治療結果から4~5年間くらい治療を続けた方が治療終了後の再発が少ないことが分かっています。
治療の流れ
初回の診察ではRAST検査(特異的IgE検査)と呼ばれる血液検査を行い、何に対するアレルギーがあるかを調べます。この検査でスギまたはダニのアレルギーを確認できた方に治療を開始します。スギ花粉症にはシダキュア、ダニアレルギーにはミティキュアという錠剤を使います。初回の治療日は錠剤を舌下(舌の裏)に入れて、30分程度アレルギー反応が出ないかどうか院内で観察します。特に問題がなければ、2週間分の処方を行い、1日1回1錠を舌下します。2週間後の再診日で治療が継続可能と判断すれば、1ヶ月分の処方を行います。以降、原則として月に1回の受診が必要で、花粉症の時期にかかわらず、3年以上毎日舌下を継続していただきます。
副作用
スギ花粉またはダニの抽出物であるために薬害はありませんが、ごくまれに強いアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こすことがあります。また、治療開始早期に軽いアレルギー反応(喉のかゆみ、舌の腫れ、鼻汁など)を生じることがありますので、その場合は抗アレルギー薬の併用やうがいの徹底により症状を軽くします。
効果と費用
スギ花粉に対しては治療開始後数ヶ月で効果が現れる方から2~3年後に改善が見られる方など効果が出るまでの期間は様々ですが、8割以上の方に症状の軽快が見られます。
自己負担は、初日の血液検査が5,000円程度、毎月の薬剤費が1,400円程度(いずれも3割負担の場合)です。
- 院長
- 木村秀生
(日本外科学会外科専門医) - 診療内容
- 内科・外科・血管外科・乳腺外科・消化器内科・在宅診療
- 住所
- 〒332-0035
埼玉県川口市西青木1-21-19 - アクセス
- 西川口駅東口より徒歩6分
西青木二丁目バス停すぐ - 電話番号
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